「家を建てるなら」

脚本家の微笑み返し

 

 新作は「家を建てるなら」というタイトルにしようと思う。どっこかの大手住宅メーカーのコマーシャルのフレーズになっていて、耳に馴染みがある。確か松たか子が「…と思うのであります」と言ってうっすら笑っていた。しかし、コマーシャルと言えば松島奈々子が、中学生の足にまたがり茶を「飲む?」と言うアレにつきる。思春期のああした体験が、のちに倒錯した性へと発展しなければいいがと心配しながらも、うらやましく感じるのは私だけではあるまい。そんな話はどうでもいい。
 
 家を建てるという状況を芝居にしようと考えながらも煮詰まっていたのだが、前回コラムでも紹介したように、某役場の庶務係長さんに、「女性問題をやってみない?」という提案をいただき、急に脳ミソが活性化したのだ。だが、「女性問題」とは、「キミ、今度専務の娘と見合いをしてみないかね。実は専務がキミをずいぶん気に入ったようなんだが」「ホ・ほんとですか」「この縁談がまとまろうものなら、キミの出世は間違いないが、その節はこれまでなにかとキミに目をかけてきた私をないがしろにはしないだろうねえ」「そんなめっそうもありません」「そうかフフフ、ところで、専務の娘との縁談を前に、身辺の整理はだいじょうぶなんだろうな」「身辺と申しますと…」「コッチのほうだよ。キミもお盛んだったと社内では有名だそうじゃないか」「それほどでもありません」「とにかく、女性問題は困るよ」「心得ました」「フン、キミも悪い男よのおフッフッフッ」…といった女性問題ではない。

 ここで言う「女性問題」は、男女共同参画社会の問題なのだ。

 家を建てるには施主と施行業者と大工が登場しなければならない。たとえば棟梁が女性だったりする。(朝の連ドラで昔あったな)あるいは、施主の娘がスーパービジネスウーマンなのに、施主は前時代的観念にとらわれたコチコチおやじだったりする。うん、さらにもうひとつふたつ秘策がある。

 シノプシスは、劇団員に限り近日お知らせしますが、これを読んでいる方で「家建て」「女性問題」で何かアイデアがあれば、掲示板やメールでお知らせのほどを。

劇団いぶき

劇団いぶきは、鹿児島県知覧町で40年以上活動している劇団です。