引き算?足し算?

脚本家の微笑み返し

 

 まず、掲示板に「きつね。」の感想を書いてくださった finceさん、しきさん、タテイシさん、どうもありがとうございました。また、多くの方から感想をいただきました。ありがとうございました。

さて、当サイトの「役者」のページでは、役者に限らず劇団員を紹介しているが、一応「きつね。」にかかわった「きつね組」の面々のすべての紹介を先ごろアップした。ご覧ください。

 私に関してはdbuが書いてくれたのだが、ちと、気になるトコがあって、誤解を生むといかんので、この場を借りて補足説明させていただく。

 「アマチュア劇団は引き算しながら公演する」ってとこだ。←コレってスゴクえらそうじゃない?しかめっ面しながら妥協している感じ?dbuの書いた意図もわかるが、「ナニ様のつもりよ!」と劇団の女性陣からクレームが来るかも知れないし、コレを読んだ黒木瞳が、そんなに才能に自信があるのなら見せてちょうだよ。さあ!さあ!と腰の近くまでスリットのある黒いチャイナドレス姿で迫ってきて、なすすべもなく壁に追い詰められ、絶体絶命とばかりに、ベルトの変身ボタンを押さざるを得なくなり、仮面ライダーの正体を見破られるはめになったらとても困ろう。なぜ黒木瞳かは、…別に意味はありません。

 だからちょっと解説したい。アマチュア劇団は、いろいろなものに制約されているということは前回の「きつね。日記」に書いた。だからイメージしたものを完璧につくっていく時間がないというのもある。しかし、それ以前に、アマチュア劇団だからこそみんなでつくるべきだっていう考えがある。

 ホンを書き上げた時点では、私の頭の中には完成した作品のイメージがある。演出家が芝居のイメージをつくったら、そのイメージに近づけるために演技や音楽や美術やいろんなものを積み上げて行く作業が必要となる。しかし、私のホンを読んで私とは違うイメージを思い描いた団員がいたら、それを頭から否定したくない。そっちの方が面白いかもしれない。だから、自分のやりたい方向は示しつつも、まずはやりたいようにやってもらう。自分のやらせたいことと違っていても、それでいいかも知れないと思ったら、自分で思い描いているものの一部を壊す作業が必要になる。壊されたくないところは壊さない。しかし、どっちがいいのかはわからないことが多い。

 その壊すって作業が引き算ってことだ。だから引き算もしながら足し算もやっているのかも知れない。しかし、芝居つくりに掛け算はない。地道に足したり引いたりしていくしかないな。割り算には気をつけろ!一夜にして真っ二つってことがないことを祈る。

劇団いぶき

劇団いぶきは、鹿児島県知覧町で40年以上活動している劇団です。