あなたのために

脚本家の微笑み返し

 

 この数日、当サイトのトップページに設置したアクセスカウンターの数字に注目していたのだが、どうも1日に10ポイントくらい増えるようである。このカウンターCGIは、当サイト管理者のdbuが設置したのだが、同じIPアドレスから1日1件しかカウントしない仕組みになっているらしいので、およそ10人の人がアクセスしたと考えていいのだろうか?そのうち2人は私とdbu、あと劇団員が5人くらい見る(見るかな?)として、さらに劇団員の親族が2人くらい見て(誰?)、で、少なくとも1人は劇団外の方が見ていることになる。あなたのことです。

 だから今後は、あなたのことを強く意識しながらこのコラムも書かなければならない。これまでは、例えばどっかのリゾート地の豪邸で、テニスコート脇に寝転んだシャラポワがノートパソコンで、翻訳ソフトを使いながら読むということを想定しながら書いていた。あるいは、インターネットに浸入して地球人の情報を収集しているエイリアンを駆逐すべく行間に念力をこめながら書いていたのだが、もう、それどころではない。

 今後は、せっかく貴重な時間を無駄にするためにいらしたあなたを本気で楽しませるべく、このコラムを書かなければならない。来てくださった方に楽しんでいただこうという姿勢を持つということは劇団の基本である。だから、これを書いている今の私は、唇の端に少し力を込め、目じりを下げてにこやかにしている。サービスに歌も歌ってみる。どうですお客さん!逆立ちをしながらエビゾリになって足の指でキーを叩いているのですよ!楽しんでいただけましたか?

 しかし、どんなに私が持ち芸を披露したところで、拍手の一つも聞こえてきやしない。せめて掲示板に「パチパチパチ」と書いてください。

 ここまで息が切れるぐらい激しい芸を披露した見かえりにと言ってはなんだが、私からもあなたにお願いがある。私には、あなたの氏素性をなんら知る術はないので、何かイメージを抱きながら書くことをお許しいただきたい。とりあえずテニスコート脇に寝転んだシャラポワでいいですか?

劇団いぶき

劇団いぶきは、鹿児島県知覧町で40年以上活動している劇団です。