脚本書き用ソフト

脚本家の微笑み返し

 

 個人サイトは閉鎖したのだが、実は脚本の執筆にdbuがつくってくれたCGIソフトを使っているので、プロバイダーのwebサーバーは引き続き使わせてもらっている。
 世に脚本家あまた居れども、インターネット上で執筆している輩は、そうは居ないだろう。まあ、人気脚本家などはセキュリティー上出来てもやらないかも知れないが、田舎の無名脚本家モドキには、これが便利この上ない。(一応、IDとパスワードでアクセス制限しています)

 振りかえれば、10年前はノートに鉛筆で書いていた。実は私は書道だけはだれにも負けたことがない。私の手から産み出される文字は、とうてい常人には理解できない斬新な造形であるばかりか、私の書をお札にして子どもの腹に貼っておけば、無病息災、丸めて飲めば胸焼け頭痛がたちどころに治まる。そんな神通力をも持った私の書に立ち向かおうなどという人が現れたことがないので、私は誰にも負けたことがないのだ。ただ、職場の上司に「伝票に芸術はいらん」と言われたことはある。

 そんな私の個性的な字がノートに踊りながらストーリーが紡がれる訳だ。しかもノッてくると、書いている先に次の展開を思いついて気がはやり、字も大胆に踊り出す。そして怒りの場面では字も怒り、悲しい場面では字も泣いていた。さらにそのノートをそのままコピーして「ほら台本」と役者に渡していた。

 役者もそんな台本の方がセリフを覚えやすいと当時は言ってくれたものだ。そんなもんかも知れない。

 そのうちワープロ専用機が流行り出して、タイピングも手馴れてきたのに、やっぱり脚本書きは鉛筆の方がなんとなくしっくりしていた。しかしまあ、保存や二次利用のことなどを考えて「ワープロで書くべえ」といくつか書いたのだけど、私はなんと、フロッピーディスクをゴミ箱に落として焼却してしまったのだ。保存も二次利用もあったものではない。

 そんなときにdbuからMacの購入を勧められ、購入記念になんとdbuが脚本書き用のスタックをつくってくれたのだ。これは便利だった。登場人物や場面を登録して登場人物ごとのカードにセリフを書いていけば、並べてテキストデータ-で書き出してくれるというもの。(便利さをうまく説明できない)

 その後dbuは、Mac用のスタックだったのを、ファイルメーカーで汎用にしようと目論んでいたが、それを飛び越えてCGIにしてしまった。これだと劇団内で情報を共有するのに非常に便利だ。いぶきの脚本担当は作詞担当でもあるので、執筆途中にも作曲家と内容を共有しなきゃいけないときがあるし、代表や舞台監督に進捗状況を説明するために一部公開することもできる。もちろん、共有、公開する部分は脚本担当者が決められるし、脱稿した時点で劇団員はネットに繋がったPCからどこからでも読むことができる。また複数の脚本家で共同執筆するときなどには威力を発揮する筈。とっても便利。公開したものを部外者が読むってことはほとんどないと思うけど、心配なら別のCGIで制限できるだろう。htaccessとか?

 えー、実はお客さん!このCGIは配布しています。使ってよかったら、いぶきにお気持ちを寄付してもらうことになっています。詳しくはメールしてね。

劇団いぶき

劇団いぶきは、鹿児島県知覧町で40年以上活動している劇団です。