「じいちゃんの日記帳」稽古日記

脚本家の微笑み返し

 

 また長くコラムを更新しなかった。言い訳などしない。雷でモデムが壊れたことや、パソコンのロジックボードが壊れてその交換に、販売店の保証が効いたものの手出し3万円もかかったことや、これを捻出するために中村主水の一味に加わって悪代官と悪徳商人を闇の世界へ葬り、その後、悪代官の墓参りにいったら、喪服を着た黒木瞳と恋に落ちたことなどを言い訳にしない。

 ただしパソコンが壊れている間も、私はLANケーブルを右の鼻につっこんで精神を統一し、脳から直接世界に向けてコラムを発信し続けていた。そんな私の努力も報われず、ハリウッドの映画会社から映画化の話しが1件あっただけで、他には何の反応もなかったことが残念でならない。

 パソコンも元気を取り戻したし、これから「じいちゃんの日記帳」公演日まで稽古の様子などをアップすることにする。前回「きつね。」の稽古日記がケッコウ好評だったからだ。しかしあのときは映画化の話しはなかったナ。

 稽古は順調に遅れている。この暑さに役者の記憶力も鈍っているのか、公演日1ヶ月をきった現在もプロンプが必要な有様だ。ただ、ほぼ全員顔がひきつっているので大丈夫だろう。なんとかしてくれる人たちだと信頼している。…というか、するしかない。

 今回は、初めて板に乗る人がいる。短い場面だけど「おいしい役」だ。そのおいしさを味わう余裕ができるまで、稽古稽古である。

 道具を担当しているMAEDAから今電話がかかってきた。テーブルを4つ作ってくれと頼んである。今日から作り始めるようだ。「箱形の道具はかさばるから、あとの倉庫がたいへんだよね」と、公演後のことも考えて作るように相談した。せっかくつくった道具は次の芝居に使い回すというのが鉄則だ。

 舞台監督は、衣装のことで悩みながらも着々と整えつつある。アマチュア劇団はすべて手作りだ。

 暑いし、忙しいし、夏休みだというのに子どもをどこにも連れて行けないし、たいへんな8月になってしまった。

8月22日
 東京から千夏が帰省。南日本新聞社枕崎支局長に、「じいちゃんの日記帳」と10月31日知覧公演の岡部企画「帰去来」について取材していただく。支局長が千夏の写真を撮る間、僕もすまして横に座っていた。ちょっとしたジャーマネ気分。千夏は夜の稽古にも顔を出してくれ翌日また東京に旅立った。9月半ばから「帰去来」の稽古らしい。きっと怒号と灰皿が飛び交うような厳しい稽古なのだろうな。と想像しつつ、今日もいぶきの演出担当者は優しくダメだし。
8月24日
 振り付けのHarumiさんが、全員ダンスの振り付けをつくってきた。「ん!これは最近流行の動きだ!」おもしろい。2時間ずっとダンス振り付け。もうほぼ踊りこなしている人もいる。さてはあのキャンプの入隊者か?あと2週間。入隊していない面々は大丈夫か?みんな!セリフも忘れないでね。

劇団いぶき

劇団いぶきは、鹿児島県知覧町で40年以上活動している劇団です。