“たまごっち”という昔ブームになった玩具が、最近新機能を搭載して再登場し、瞬く間に大ヒットとなっている。どこの玩具屋にも在庫はなく、時折入荷した際は並んで整理券をゲットしないと買えないのだという。ネットで探してみて驚く、2,500円の子どもの玩具がその2倍、3倍、4倍の値で取り引きされている。
実は、昔のたまごっちブームでは急激に衰退期がやってきて、バンダイは大量の在庫を抱え赤字を出してしまったのだそうだ。その反省からバンダイでは“チーフたまごっちオフィサー”なるものを設置して、開発、生産、販売を一元管理し販売数を慎重に押さえているのだ。それにしても子どもの玩具にネットオークションで定価の3倍、4倍もの値がつくなんて、世の中どうしちゃったのだろう。チーフたまごっちオフィサーは、これを異常事態と捉え、適正な品数を市場に提供するよう強く求める!
なぜ、私がこんなことを強く求めなければならないかというと、娘が欲しがっているのだ。娘の友達はほとんど持っていているらしい。新たまごっちの特徴は、たまごっち同士で通信ができて、たくさん通信すると仲良し度がアップし、交配し子どもが生まれたりするらしい。恐ろしい玩具だ。
で、以前のブームの時も問題になったが、子どもらが学校に行っている間は誰がそのたまごっちの世話をするかと言うと、これがやっぱり母親が任される訳だ。これもまた私には違和感がある。それに両親ともに働いている家庭ではでき得ないことで、女性の労働力が期待され、その社会進出が推奨される今日においてなんと時代に促さない玩具であることか。
だいたい、宿題をしている最中でも、テレビを見ている最中でも、こっちが食事中であろうがかまわずに、たまごっちは糞をしたり、かまってもらいたがったりするらしいのだが、養ってもらっている身でありながら、そのつつましくない態度が気に入らない。
だから、友達がピコピコやっている傍らでぼんやり眺めている娘を想像すると可愛そうではあるが、そんなものを買ってやるつもりはまったくない…、いや、なかった…。…(汗)
この需給のバランスが悪くて買いにくい玩具が相手では、「買おうと思えばいつでも買えるのだから今はがまんしなさい」と言えないところで、なんだか私の心を刺激しているのだよね。これがバンダイの策略なのだ。早起きして店頭に並ぶなんて絶対にしたくないし、値のつりあがったオークションものに手を出すつもりもない。時折、玩具屋のHPで個数限定販売みたいな売り方をするらしいので、かなり確率低そうだけど(通信速度で不利か)、やってみるしかない。で、もし運良く買えたら、娘にはすぐには渡さずにしばらくは箪笥の中にしまっておく私なのだ。それよりも、できればはやくこのブームに去っていただきたい。かもしくは「買おうと思えばいつでも買えるのだから今はがまんしなさい」と言えるようにしてください。バンダイさん。