今年も、なんだかんだと言って、忙しい年であったが、まずは、谷山北やまびこ子ども劇場様に招かれたことをきっかけに「やまびこ きつね」を制作できたことは大きな収穫であった。
昨年自主公演した「きつね。」の小道具、特にきつねの尻尾と耳は劇団員が大変苦労して作った自信作で、このまま倉庫に眠らせておくのはもったいないが、さりとてあの3時間近くかかる大作「きつね。」を再演するエネルギーは簡単には沸き起こらない。そこで、きつねものの短い童話みたいなものを作りたいなと考えていた時期に、谷山北やまびこ子ども劇場様の公演依頼がぴたりとはまったという訳だ。こういう出会いを、世間では神様の贈り物というかどうかは知らないが、私には、何かに背中を押されているような気がしたのだった。
さらに、公演日まで期間がなかったために、役者の負担を軽減しようと台詞を極力削り、説明不足は劇団いぶきの宝刀、音楽で表現したのが、むしろ作品のクオリティーを高めているかも知れない。こういうのを、世間では、災い転じて福となすというのかどうか知らないが、音楽チームに感謝したい。
特に、狐の子どもと人間の子どもが親友になる過程を、ナガナガと台詞で表現してしまったら、なんとも理屈っぽいイヤな狐のガキと人間のガキができたかも知れない。私の書く台詞はやたら長かったりするのだが、こうしてみると、今まで無駄な台詞をいっぱい書いてきたような気がする。こういうのを世間では、なんというのか知らないが、とりあえず反省しておこう。
「やまびこ きつね」は、谷山北やまびこ子ども劇場様のお招きで、7月に鹿児島市松元町で「ほたる かえる」と併せて公演し、そして、11月12日に中学生の演劇チームとの合同公演で上演した。「やまびこ きつね」は今後も進化しながら続いていくだろう。
「やまびこ きつね」と「ほたる かえる」は、公演のご依頼に応えていきたいと思います。メールにてお問い合わせください。