謹賀新年
昨年の12月から、職場が故あって、たいへん忙しくなり、さらにその中での人事異動でアタリをひいてしまった。初めて担当する仕事に悪戦苦闘の毎日で、芝居をやる余裕がなくなってしまっている。この状況では、新しい芝居を書く時間が取れそうもない。
今年は、「じいちゃんの日記帳」の再演と「ほたる かえる」や「やまびこきつね」の新たな展開を模索しながら、代表と舞台監督を中心になんとか活動を継続してほしいと願っている。
昨年暮れ、いぶきの忘年会の二次会で、12年前につくった「奇跡-夢咲町商店街応援歌」のVTRをみた。さわりだけみるつもりが、みんなで酒を飲むのも忘れて見入ってしまって、夜中1時近くまでかかって全部みた。筋は知っているのに、泣けた。自分で言うのもなんだが、ストーリーも構成も演出も、今の作品よりもしっかりと、そつなくできていた。
そしてなにより、12年前の僕の脳みそは、今よりもっと自由にいろいろなことを考えていた。昼間に仕事の書類と格闘した後でも、夜になると自然と頭が切り替わって、非常識な芝居の世界でバカなセリフを思いつくことができた。しかし今、このコラムを書きながらも、今の僕の頭の中には、新しく覚えた業務用語や、終わり得ない仕事のあれこれが渦巻いている。
それでも、いや、だからこそ、今、とても芝居に飢えている。芝居つくりたい。いや、つくる。
「奇跡-夢咲町商店街応援歌」を反芻してみる。この作家と演出家は天才だと思う。(思って悪いか!)だからそ、こいつに嫉妬し、こいつに負けない芝居を、つくってみたいと無性に思う。