演出家(私)のわがままで強行出場した「かごしま演劇見本市2011」。全員そろってリハできたのが当日の午前中という危うい状況であったが、結局、本場が一番いい出来になってよかった。我が仲間は結果を出す人たちだ。
今回は演出家もしばしば稽古に行けない日があって、メールで指示することもあった。役者もたいへんだったと思う。私も、ニューヨークの高層マンションのバルコニーでジャグジーに浸かりながら、シャンパンを片手にメールを打つのも大変だった。
だけど私には聞こえていたよ。見上げればこの星空のつながる極東の地で、30分の芝居づくりに格闘する仲間達の、魂のセリフが。
演出家にとっては、今回の参加は大変貴重な経験となった。7団体が30分ずつの芝居をつくる。どの劇団も、それぞれの持ち味を活かした質の高い作品を上演した。後の交流会で、他団体の演出家のみなさんと話をさせていただいたのもよかった。劇団いぶきも負けずにいい作品をつくっていきたい。
私は、いい仲間を持ち、こんなすばらしいイベントに参加することができ、果報ものである。これからもおごることなく、拾ったワラシベ1本にも感謝しつつ日々を暮らそうと、ラスベガスのカジノでバカラに興じながら思うのであった。